火災保険 不払いの真実

2022年06月04日

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令和元年の台風15号から約3年がたとうとしております。

3年というワードで1つ!まず火災保険の請求で3年というのは時効の年数となります。

これは保険法で決まっており、基本的に保険事故の発生日から3年で保険の請求権が消滅してしまいます。

 

さて本題ですが、つい先日知り合いの社長から店舗兼住宅の2階の住人から雨漏れがすると相談されました。

仮にSさんと呼びますが、とりあえず修理してほしいとの事と、また台風での保険請求も忙しくてしていなかったから保険請求して

保険で修理したいとの事でした。

 

私が実際に現地に見に行くと(現調)かなり被害は大きく、店舗の軒天は大きく剥がれ屋根に関しては、スレートがまずヒビや割れ

があり、外壁も割れて、完全に剥がれている箇所もありました。それだけでなくケラバの板金も剝がれてしまっていて、これは雨漏れして

当たり前という状況でした。

詳しくSさんにお話を聞くと一番最初に被害に気付いたのは、2021年の台風16号によりその際にまず、2階の住人から雨漏れの被害を

聞いたとの事。その時には管理会社の不動産に相談したが、とりあえず部屋の中の天井を内装工事で綺麗にしただけで、屋根などは修理していないとの事。

実際屋根がそんなに被害を受けているとは思わなかったということでした。

 

そしてその台風のあとの2022年になりまた雨漏れがするとの事で、その時にお声がかかったのが弊社でした。

 

時系列でまとめますと

①2021年10月の台風16号で最初の雨漏れ被害

②2022年1月に再度の雨漏れにより被災状況を発覚

 

となります。

純粋に考えれば、最初の2021年10月の台風被害により屋根に被災を受けたと考えるのが自然だと思います。

 

弊社もこれまで火災保険の申請は500件以上行っていますから、保険申請がちゃんと通るのか、無理はないか、実際の被災はしているかなどは

ある程度知識と経験は積んでおります。

 

なので今回も今までに一度も火災保険も使ったことがないようですし、大手Mさんの保険ですし、時系列も問題ないですから普通に保険適用されると思っておりました。

 

しかし、結論から申し上げますと、今回は俗に言う、保険会社の「ゼロ査定」保険適応とは認められないとの事でした。工事代金の金額が減少したとかではなく

ゼロ査定です。

 

 

まず、通常通り保険会社の下請け?協力会社?である鑑定会社の鑑定人が現地に被災状況を見に来ていただきました。

そこでSさんは私に話した通り、実際に2階の住人から雨漏れを指摘されて気づいたということ、日々屋根などに上ることもないから発見が遅れたこと。

遅れた理由に付け加えると、一番最初の雨漏れの際には、工事知識や建築知識を全く持っていない不動産の管理会社が屋根などを見てくれなく、あくまで

雨漏れにより内装が汚れた箇所の工事のみしかしなかったことなどが要因というのも、しっかりと鑑定人の方にお伝えしました。

 

しかし、保険会社からの回答は、今回は保険適応を認められないとの事。

Sさんが理由を聞くと、この建物は経年劣化が激しく、必ずしも台風の被害でこうなったとは言えないの1点張りです。

??????え??と私もSさんも不思議に思いました。ということはつまり、建物が古くて経年劣化のある建物は、火災保険には加入できるものの実際に台風の翌日に

雨漏れなどの被害がでて、普通に考えて因果関係はあるはずのものも、経年劣化ということで保険が使えないのであれば、保険の意味は?となりますし、

保険加入の際に古い建物は、保険適応できませんからねとの説明もあるはずもなく、Sさんはとうてい納得できないとなりました。

私も「経年劣化」というまるで保険会社の魔法の言葉みたいな保険を適応したくない時に使う言葉はよく耳にしてきましたが、今回のSさんの件に関しては明らかに

状況的に考えて、台風被害であると考えるのが無理ない判断ではないかと思いましたしこれで保険がでないのであれば、本当に火災保険の加入する意味はないと思います。

 

そのことをSさんが保険会社に伝えると、「実際に台風で飛んでいった残存物の写真等がないと駄目」と言ってきたみたいです。

?????

これもまた不思議な事をおっしゃっています。

そもそも保険の申請期間は最初に申し上げた通り3年です。仮に2年目に申請を上げた時にその残存物が残っている可能性の方が低くありませんか?

保険の加入の際の説明や契約書に、家の破損物がないと保険適応できませんよなどという文言は一切入っておりません。

また、台風の強風で建物の一部が剥がれたりするのに、その破片的なものも飛ばされたりする可能性もありますよね?

そもそもそれくらいの強風が吹かなければ壊れたりはしませんから。

 

築年数や経年劣化の度合いによって保険の加入ができる、できないなど聞いたことがありませんから、例え新築の建物に比べれば築年数がたっている建物は

台風による被災はしやすいのではないかと思いますし、被災しやすいことは事実だと思います。 しかし経年劣化をしていようが事実台風によってとどめをさされているのであれば

それは保険適用だと弊社は考えます。

でなければ築年数の古い建物の保険の加入を認めるべきではありません。

まさに保険会社による後出しじゃんけん、屁理屈だと申し訳ありませんが、感じてしまい今回あえて記事にさせていただきました。

 

結局Sさんは、泣き寝入りです。正直Sさんの会社はかなり大きな会社ですので、保険が適用されなくても修理代金に関しては普通に支払えるだけの経済能力はあります。

しかし、それでもSさんは「お金の問題ではない、こんな理不尽なことが許せない」と保険会社と戦いましたが、最後は呆れてものが言えなくなるいう感じでした。

 

近年、火災保険を利用した悪徳な業者も増えているのも事実。

しかし、保険会社は完全な「お客様思いの聖人君主でしょうか?」

保険会社も民間の営利会社でありますから、保険金をできれば払いたくないのはこれは綺麗ごとではなく事実でしょう。

しかしそれでも、公平なジャッジはしてもらわないと、保険料だけ支払って、いざというときに保険が使えないというのは、一番の被害を受けるのは

消費者の方ではないでしょうか?

 

しっかりと対応してくれる保険会社?鑑定会社?がある一方、何としても保険を払わないというスタンスで来る保険会社がいるのも事実というのを

みなさん知っておくべきです。

 

極端に「火災保険」と聞くと、悪徳会社が多いよね、とか詐欺的なやつでしょ?とイメージはあるかもしれませんが、

弊社からするとどっちもどっちだなと思うことはしばしばあります。

 

ただ、大手資本の保険会社と、消費者の一個人では、消費者の分が悪くなることの方が多いんだろうなと感じてしまうのは私だけでしょうか?

 

今回は、あまりにも不可思議な保険会社の対応でしたので、皆様に知っていただきたく思います。

今後経年劣化の建物は保険に加入できないという方向にいくのでしょうかね?

それはないと思いますが、、、、

 

Sさんも今回は運が悪かった、当たりはずれのはずれを引いたということで諦めるとなりました。

皆さんも保険会社は何かあったときに必ず味方になってくれる。保険会社は喜んで保険金を支払ってくれるとだけは思わない方がいいと思いますよ。

 

弊社としましては、詐欺的な悪徳会社が減り、保険会社も公平かつ公正な完全な第三者機関での判断で対応していただきたいと願っております。

 

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